特別支援教育の現実

知的障害がなく情緒も軽度で支援級に入級するほどではないが学校生活を送る上で若干の支援は必要という、おそらく最も多いんじゃないか(とくに低学年では)と思われるケースでも自校に通級がない場合、親が他校に送迎しなければならず共働き家庭には難しい。
もうほとんどの家庭が共働き(じゃないと生活できない国)になったんだから特別支援教育もそれ前提でシステムをデザインしてくれないと必要な子に必要な支援が届かないんだけどな・・

特別支援学校もそう。次男の通う特別支援学校は「一人っ子」「母親は専業主婦」「祖父祖母健在で協力的で理解があって同居」「経済的に余裕がある」ことが前提なのかい?って感じること多々。特別支援学校の学区は広く、ほとんどの子は遠方から通学バスを利用するにもかかわらず「バス乗車の可否を検討する」と言われる。バスには特別支援教諭ではない乗務員と運転手が一人づつ。だから手に負えない子は乗せられない。特別支援学校ですらこう。
否になった場合どうするかっていうと移動支援や行動援護を使ってね、それか自力登下校(親の送迎)してねってことです。とはいえ市内に移動支援や行動援護で登下校のフォローをしてくれる事業所なんてない。仕事してたら?下の子がいたら?親が病気だったら?車がなかったら?運転できなかったら?そもそもバスに乗せられない子を自家用車に乗せるには運転要員の他に一人付き添いが必要。大人二人を毎日送迎として用意できる家庭がどれだけあるのか。

障害児の中にも普通の障害児枠ってのがあってそこからはみ出るとあとは存在しないことになってしまう。(そういう子が存在している子を前提に特別支援教育のシステムが設計されていない)だから自力救済になってしまう。
中央から離れていればいるほど支援が必要なのに!!
内部疾患のあるお子さんを持つママ友も入学時、学校との交渉が本当に本当に大変そうだった・・・

これは学校が特別支援をわかってないとか、先生が怠慢だとか話では全くなくて、予算・人員・設備がたりなすぎてそうするしかない感じなんだよね。

次男の特支はPTA会費のほとんどが学校の備品と先生の研修費に使われる。公立だし義務教育だし本来なら税金で賄うべき部分なんだろうけど、長男の公立中学校も(次男の特支ほどではないものの)そうなのよね。PTAに加入しないっていう選択肢が現実的ではない場合、これって子どもを持つ親への二重課税じゃないのかね。長男が小学生の頃はバザーのための検品と役員としての活動、そして会費と、これは現代の租庸調かと思ったもの。

普通校でも学校でパニックをおこしてしまったり、集団行動ができない児童の支援をする支援員がいるのだけど、これを無償ボランティアとして募集する自治体もある。言葉悪いけど素人にやらせる仕事じゃない。特性のある子どもの支援って高い専門性と経験が必要、だから教員だって特別な資格があるのにこれを無償で?ボランティアでやれ?間違った対応や声かけで誤学習をさせてしまったり、脱走や他害、自傷行為などとりかえしのつかない事態につながる可能性もあるのに・・・募集のお手紙をみたときはびっくりした。ここまで日本は教育に予算をかけないの?と。

普通の(?)学校にすらこんなに予算がつかないんだもの、特別支援学校になんて余計なんだろうな。長男の中学校も次男の特別支援学校も先生方は工夫して頑張ってくださっているけど・・・文科省の例の通知(特別支援級に在籍する生徒は週の半分以上、交流級の授業受けてはダメ)も
インクルーシブ教育推進のためじゃなくて特別支援級に在籍する生徒の数を減らして教員の配置等の予算を減らしたいってのが本音なのかな??

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