知的支援級について

※支援の内容やその制度は自治体、学校によって変わります。
参考にされる方は「あくまで我が家の経験、見聞の範囲での情報」であることをご承知おきください

担任とクラス編成

うちの自治体は講師が担任になることが多くて、講師だからって力量がないとは限らないけど1年で異動。生徒の特性を把握してうまく対応できるようになった頃に異動ということに・・・。評判良くて2校を隔年で行ったり来たりしてるケースもあったな。

担任は生徒8人に対して一人。これに支援員1〜2名がつくことが多い。必ずしも特別支援教諭の免許を持っている先生が担任になるわけではなく、悲しいかな、問題を起こしたりクラス運営の力量が不安な教師の配置先になることもある。実際には専門性が必要なポジションなのだけど、「人数が少ないから楽でしょ」と思われてしまうのか、そもそもと特別支援教育を軽視しているのか?もちろん特別支援教育に高い志と熱意のある先生もいる。

個人的に支援級は普通級以上に担任の力量がモノをいう気がしている。なので就学前の学校見学のときに良いとか悪いとか思っても、就学したら担任が変わっていて全然違う雰囲気になっていたってことがよくある。

だいたいは学年を跨いだクラス編成で、高学年になると下学年の面倒をみたりと良い経験になる一方で、毎年4月(下手すると数か月)はクラスが落ち着かないという難点も。

活動・学習内容と交流について

生活単元だけでなく、学習も行う。交流級と言って同じ学年の普通級で授業を受けることもできる。
音楽あたりから始めるケースが多いかな?算数や国語の交流級に行く生徒もいるし、ほとんどの授業を交流級で受け、しんどい時だけ支援級に戻ってくる生徒もいたけど文科省通知により交流が制限されることになったので今はどうなっているのだろう。(2022年4月に文科省が教委に「支援学級在籍生徒が通常クラスで受ける授業を半分以下にするように」という通知を出し、多くの学校で交流の回数が制限されることになっている。)固定の情緒支援級が設置されていない場合、知的支援級に高機能の子が在籍していることもあるので個別対応してもらっているとよいのだけど・・・
運動会や合唱コンクール等、学校の行事は支援級として参加したり交流級で参加したり。給食だけ交流級で食べるという子もいた。自治体によっては情緒知的級のように最初からクラスが合同になっていることもある。

就学基準の変化と弊害

以前は学校教育法で特別支援学校への就学基準というのが定められていて、それに該当すると原則特別支援学校へ進学するという決まりがあったのだけど、今は障害者基本法 第16条第2項で「国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない。」とあるため、保護者の希望が通るようになった。

これは良いことだと思うけれども、以前なら支援学校適であったろう生徒が支援級にくることが増えていて対応しきれていないという話をちょいちょい見聞きしている。手のかからない生徒は放置気味になり、不満が溜まった保護者主導で保護者会が開かれ、吊るし上げのようになってしまったケースも。

受け入れたからには学校側が対応するのが理想ではあるけれど、法の先走りに先生も疲弊、不満の矛先が手のかかる生徒や入学させた保護者に向かってしまう感じなのかな。そのおかげで支援員が増えたり良いこともあるけれど、後手後手の印象。支援員は教諭よりさらに専門性が低く、誤学習させる対応が増えたり二次障害につながる指導をしてしまう危険性がある。業務の大変さや責任の重さにくらべて薄給、下手するとボランティア。

その他

高学年になると普通級から支援級に移ってくる子がいたり、稀だけど支援級から普通級に移る子もいる。知的支援級と情緒支援級間の移動は割と聞く。

支援級から普通級かで悩む時は療育手帳の取得が目安になるのかな。手帳が非該当で支援級を選ぶ場合は交流級に積極的に行く、行事は交流級で参加するとよいかと。

支援級の良さは居住区と分離されないということ、健常の子との接点の多さ。PTA活動や病時のお迎え、学校行事の参観なども家から近い学校のほうが楽。

支援級か支援学校かで迷っているケースは身辺自立、指示の通りやすさ、支援級のある学校までの距離、お目当ての放デイが送迎範囲内かなども考慮されることをお勧めする。

担任は異動するし校長がかわるだけでOKがNGになることもあるので。たとえば「雨の日や登校渋りの日は車で送迎してもよい。学校の駐車場も使って良い」という話だったのに就学のタイミングで校長が変わり「怪我などの特別な理由がない限りは登校は徒歩で」となってしまったとか・・ね。

それから無理して支援級に入れた場合、やはりほかの保護者との関係には気を遣うことが多くなることが予想されるのである程度は覚悟を。もしかするとなが~いお付き合いになるかもしれないのが健常児とは違うところで・・・一度こじれるとなかなか辛いことになる。

進路を決める際は「子供にとってどちらが良いか」より「親にとってどちらが楽か」という決め方もありだと思っている。楽といってもやはり大変なこと多いし、途中で投げ出すわけにもいかないのでゴール(ってどこよ)まで走り切れる速度で!

就学時に「支援級と支援校で迷ってもだいだい中学は一緒になる」と聞いていたのだけど、みてるとほんとにそうだった。

※知的支援学級在籍の生徒は就学奨励費の対象になる(所得制限あり)。

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